2016年5月31日火曜日

観察研究のReporting guideline STROBEの解説

若手が学会発表する際、まず最初にするのは症例報告ですが、週間医学界新聞で始まった「臨床医ならCase reportを書きなさい」の連載は興味深いです。書きなさいと言われると、ほとんどケースレポート書いたことないので耳が痛いですが(マイナー外科だと診断がついてから診療することも多いので、あまりCase reportを書く機会は少ないし・・・言い訳ですけど)

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03170_04

症例報告を書く際には「○○で効果のあった一例」とかは避けたいですね。
そういう発表をみると○○しなくても治ったんじゃない、効果あったんじゃない?という疑問符が頭に生じてしまうので。できれば副作用報告とか、一例報告でも価値あるものを発表したいとこです。

少し古いし絶版だった気がしますが、この本は誰かに薦めてもらいました。
EBM時代の症例報告 単行本 2002/1
Milos Jenicek (), 西 信雄 (翻訳), 川村 (翻訳)


https://www.amazon.co.jp/dp/4260138855


症例報告の次によくやるのは観察研究ですね。特に後ろ向きの観察研究は多くの方が経験すると思います。今回は観察研究の研究を行う際、特に論文を書く際に参考となるReporting guidelineのSTROBEの解説を行いました。




2016年5月1日日曜日

費用対効果 QALYとかの話

新しく開発される医薬品が、昔に比べて徐々に高額になっており、医薬品による医療費の高騰が問題になっています。その他にも医療機器についても、新しい機械は高額です。

医療も徐々に改善が進んで、人間が何歳生きれるかの限界近くまでいきることができつつあります。もちろん人間の身体の大半をサイボーグ化して生きるとか、現時点でSFのことが現実になって大きく変わる可能性はありますが、人間の寿命(平均寿命など)は80~100歳ぐらいが限界そうです。
新しい医療によって80歳が81歳になるかもなど、ちょびっと改善する可能性はありますが、その効果をえるために、かなり高額のお金をつぎ込むのが妥当なのかどうかが問題になります。医療費の大半は税金になりますし、医療にお金を使うかわりに、医療以外の例えば社会インフラにお金使うというのも選択肢になりうるわけです。

限りある医療費をどう適切に使ったらいいか、その判断をするために費用対効果を考えて、費用対効果のよいところにお金を使用という発想があります。

費用対効果、費用便益分析などいろいろなキーワードがありますが、
多くはPMDAとか製薬メーカーの話題サイトが多いですが、これから医療者自身も自分達の医療がどのくらい患者さん、地域にとって価値を提供できるのか考える必要があるかもしれません。

ということで、院内有志で費用対効果の勉強会を開催しました。その時のまとめです。最近では費用対効果についての論文もメジャー雑誌にでてくるようになり、今後はそういう論文を読む会を院内で開催できればと思ってます。