2016年3月29日火曜日

適応外使用について

基本的に日常診療は保険適応の中で行うことがほとんどですが、時に保険適応のない薬を使う、いわゆる適応外使用が時々問題になります。

適応外使用の薬を使う場合には、保険診療と一緒に行うと混合医療になり、保険請求できないという問題が生じます。そのため、保険適応外の薬を使う場合は、通常であれば保険請求する医療費についても本人全額負担にする、または保険適応外の薬は病院負担で行い患者に請求しないといった対応をしていることが多いようです。

適応外処方は自分とは遠い話かなと医者になってしばらく思っていましたが、意外と身近だなと最近気づきました。例えば・・・

・耳処置に使用する院内製剤のブロー氏液
・皮膚浸潤腫瘍の処置のメトロニダゾール軟膏(これは市販化されました)
耳鼻科だと結構 耳処置の薬は適応外使用とか未承認だったりしますね。



そのほかにも、保険適応ではないのだけど、公に効果が認められていて、保険請求できるような場合もあるようで(いわゆる「55年通知」)。 例えば・・・

・尿管結石に対するロキソニン
 あのひどい痛みに救急外来などでなんとなく使用していましたが、保険適応はないのですね。
 ただ、「55年通知」に基づき、保険審査上認められた処方になります。

・心停止時のアドレナリン
 これも当たり前のように1mg静注していましたが、これも厳密にいうと保険適応ではなく。
 ただ、これも「55年通知」に基づき、保険審査上認められた薬の使用になります。



意外と、保険適応外使用の際の例外事項って知らないものだなと思い、院内資料用に少しまとめました。違ってたらコメント頂けると助かります。