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2015年10月18日日曜日

第3回CASP関西ワークショップ

日常診療では過去の経験(論文)をもとに得られたエビデンスに基づいて診療を行います。最近では個々の論文をより信頼の高いものにするために、Reporting Guidelineなどを用いて何を論文に書くべきかがきめられています。

また、個々の論文をすべて臨床を行うわけにもいかないため、どういう診療をしたらよいか個々の論文をまとめられた診療ガイドラインがあります。個々の研究をReporting Guidelineで研究の仕方を均一化したのと同じように、診療ガイドライン自体もより信頼性を高くするために作り方をきめましょうということで最近ではGRADEシステムを用いて診療ガイドラインを作成するような流れになっています。

ところで、なんとなく診療ガイドラインは正しいもの、それに従って診療しないと訴訟問題になってしまうのではとか、学会が作成した診療ガイドラインだから、偉い先生方が作成したから正しいに違いない、と思ってないでしょうか。もしくは実際に診療に使用し難い診療ガイドラインに遭遇して苦しんだことないでしょうか。

今回の関西CASPワークショップでは、現在存在する診療ガイドラインがちゃんと妥当性をもって作成されているかAGREEⅡという評価システムを用いて評価する内容で開催されました。

AGREEⅡ 日本語版(使用版)

日本ではMinds医療情報サービス-でガイドラインが公開されていますが、このガイドラインはAGREEⅡで評価され一定以上のもののみ公開されているようです(それでも日本のガイドラインの質は低いようですが)

先日は日本蘇生協議会からJRC蘇生ガイドラインが公開されましたが、このガイドラインはGRADEシステムにのっとり、非常に質の高いガイドラインのようです(GRADEワーキンググループの相原先生によるJRCガイドラインの評価)。今後は信頼性の高いガイドラインが増えてくると思われますが、診療ガイドラインを全て盲目的に信じればよいわけではないこと、診療ガイドラインの評価にはAGREEⅡというものがあるのは知っておいてもよいのかなと思います。

2015年10月3日土曜日

コクランコロキウム

10月3日からウィーンで開催されたコクランコロキウム2015に参加してきました(学会HP)。コクランは(Cochrane)はランダム化比較試験を継続的にすべて集めたり、その集めたデータをもとにシステマティックレビューを行ったりすることで、医療者や患者、政策決定者等がより妥当性の高い判断を行うことを目的とする団体です。

About Cochrane(Cochrane Libraryのページより)

安全で有効な医療を提供することは大事ですし、そのためには信頼のおけるデータ(論文)が必要となってきます。コクランでは個々の医療がどのくらい安全なのか、有効なのかを評価するために、システマティックレビューを継続的に作成しています。今回のコクランコロキウムでも、どういう手法がシステマティックレビューが必要か、現状の手法は何が問題なのかといったワークショップがたくさん行われていました。

今回の学会で話題になったうち面白かったのは、コクランレビューの翻訳事業についてでした。

コクランライブラリーでは●●の疾患に対してどの治療が有効か? という疑問に答えるためにたくさんのシステマティックレビューを作成しています。実際、このシステマティックレビューは診療ガイドラインの根拠になっていたりと信頼性は比較的高いものです。よく論文によっては本を買わないと内容が読めないことが多いですが、コクランのシステマティックレビューをより多くの人にレビューを読んでもらうため、システマティックレビューが作成されてから1年たつとOpen Accessになります。
ただ、問題としては英語であること。実際、英語やスペイン語などの主要言語は世界の4割近くで使用されていますが、残り6割の人々は日本語をふくめたマイナー言語で生活しています。
よりよい医療を行う上で、それぞれの薬や治療がどのくらい効くかについて、医療者が知っておくことはもちろんですが、患者にも知ってもらうことが重要です。そのためにどのようにシステマティックレビューを翻訳するかというのが議論されていました。ちなみに日本ではMinds(マインズ)ガイドラインセンターが一部のシステマティックレビューを翻訳しています。

インターネットで病気のことを調べる患者さんは多いですし、テレビでは病気特集も時々くまれます。一方でネット、テレビで入手できる医療情報は玉石今後でどれが信頼できるか判断に悩むことがあります。コクランレビューがすべて信頼できるか?という疑問はあるものの、その多くは信頼できるものであり、今後の翻訳事業は面白そうだなと思って参加してました。


・・・翻訳事業とは別ですが、コクランコロキウムのプレナリーはYoutubeで公開されてます。
このyoutubeは従来の疫学と異なるビッグデータを用いた研究を、従来の疫学とどう結びつけ信頼できる医療情報とするかのプレナリーだったと思います。ほかにもプレナリー公開されてるのがあるので興味ある方は是非。


2015年8月29日土曜日

診断精度の系統的レビューワークショップ

8月29日は兵庫県立尼崎総合医療センターで行われた診断精度の系統的レビューワークショップに参加してきました。

ある身体所見や検査の感度・特異度をみつける診断研究(DTA: Diagnostic test accuracy)もたくさん発表されるようになり、個々の診断研究をまとめたメタアナリシスもずいぶん本数が増えました。今回のワークショップではこれまでに診断研究のメタアナリシスを実際におこなってきた方々を講師にワークショップが開催されました。


PubMed search: "sensitivity and specificity"[mesh] AND Filter:Meta-analysis で検索



診断研究のメタアナリシスは、RCTなどの介入研究のメタアナリシスと基本的には概年としては一緒で、「過去の論文を集めてくる」「論文の質を評価する」「統合する」というプロセスになります。

診断研究のメタアナリシスでは2014年にREQUIRE(臨床疫学研究における報告の質向上のための統計学の研究会)が研究会を開催しており、そのスライドが一部公開されています。

REQUIREのサイトでは入門書や論文のリストも掲載されていますので、実際に診断研究のメタアナリシスを行う上で参考になります。またCochraneのDTAグループもHandbookを公開してますので、そちらも参考になるかもしれません。

また当臨床研究支援センターのメンバーで現在診断研究のメタアナリシスを行っていて、その過程を一部Slideshareで公開しています(前任地の職場名がかいてますが)。(
現在投稿中なのでAccept&Publishされればいずれ完成版のスライドに置き換える予定です)